PZT薄膜を用いた微小口径超音波プローブ
水中の超音波音圧を測定するためのセンサーとして,水熱合成法によるPZT薄膜を用いた超音波プローブを試作しました。細かな音圧分布を測定できとともに,小口径で堅牢な構造を持ち,広帯域な周波数特性を実現しています。

水熱合成法により成膜したPZT膜に,バッキング剤として導電性エポキシ接着材を用いた超音波プローブを作製しました。
チタン基板上に製膜した膜厚約20µmのPZT膜を,基板から剥離して素子を作製しました。プローブ外径は1mmで,有効素子径はø0.2mmと微小であり,空間分解能の高い超音波プローブが実現できました。

同軸ケーブルと一体となった微小口径の超音波プローブです。カテーテルに挿入できる細さです。
微小口径化することで,空間分解能を高くすることが可能になります。樹脂系の圧電体を用いたプローブでは高い音圧で壊れたり,長時間水中に置くことができなかったりしますが,PZTなどの酸化物圧電体では高音圧下でも壊れにくくなります。

パルス波形の送受信特性から周波数特性を求めています。
最大値となった周波数は82MHz,中央値は69MHz,最低周波数39MHz,最高周波数98MHz,帯域幅は59MHzとなっています。

5円硬貨の表面のC-mode画像を撮影しました。撮影範囲は22.8mm×22.8mmの範囲を100µm間隔で51984点スキャンしています。
受信エコー電圧の電圧を輝度変調したC-mode画像となっています。高精細な画像を得ることができました。
別の実験で,このプローブの方位分解能は140µm,距離分解能は20µmでした。